リカバリ
消失したデータのスキャンを開始します。スキャンの実行時、IsoBuster はさまざまな手法を用いて消失したファイルとディレクトリの検索を行います。エンジニアリング用途など必要な場合には、各テストを個別に無効化することも可能です。
消失した ISO9660/Joliet セッションの検出を行う:
単独のトラックや単独の (物理) セッション内に、複数の ISO/Joliet (ファイル システム) セッションが記録されていることがあります。ISO/Joliet 規格からは逸脱していますが、アプリケーションによっては、 DVD+RW および DVD-RW に複数セッションを記録するものがあります。また、アプリケーションによっては、前のセッションが閉じていないことを正しく認識できずに、そのセッションに新しいセッションを追加してしまうようなことが起こります。IsoBuster が自動的にこの隠れたファイル システムを見つけてマウントできない場合は、消失したファイルとディレクトリのスキャンにより、データを見つけ出し、ファイル システムを検出するか、検出されない場合には、新たに作成を行います。
UDF ファイルおよびディレクトリの検出を行う:
このオプションは、バージョン 1.1 以降の IsoBuster で採用されていますが、バージョンごとに改良が加えられています。今後も、新しい書き込みソフトウェア アプリケーションや新バージョンがリリースされるごとに改良していく予定です。このオプションは、UDF ファイル システム上に残こされた傷痕から消失データの検索を行います。UDF の傷痕を追跡し、消失したディレクトリとファイルを見つけ出します。IsoBuster は、消失したデータをすべてパズルのように組み合わせて、ファイル名や、タイム スタンプ、ディレクトリ階層を取り出せるようにします。
IFO/VOB 参照の検出を行う:
ビデオ または オーディオ DVD の IFO/VOB 疑似ファイル システムについては、他のファイル システムを一部利用して検索を行います。したがって、IFO/VOB 疑似ファイル システムの検索には、ISO9660 または UDF ファイル システムが必要です。これらのファイルがないと、疑似ファイル システムは検索できません。ただし、消失したデータのスキャン中に疑似ファイル システムが見つかった場合は、スキャンが完了しないと検索できません。また、IFO/VOB 参照では見つからなかったビデオ レコードを、DVD+VR(W) 上で検出することがあります。
署名に基づくファイルの検出を行う:
多くの場合、ファイルはファイル内部のデータの各部に基づいて認識可能です。しかしながら、これは精密科学ではなく、実際にはほぼ必ず見つかるファイル (*.jpg など) と絶対に見つからないファイルがあります。IsoBuster は消失データのスキャン中に出現したすべてのファイル署名に基づいてフラット ファイルリストを作成します。このフラット リストには、次に出現する署名 (*) までの、ファイル長を持つすべての考えられるファイルが表示されます。ファイル名はファイル データ自体の内部には記録されないので、ファイル名やファイルのその他のプロパティは当然不明です。それにもかかわらず、このスキャンは、使用する ISO9660 や UDF がない場合や、これらのファイル システムが壊れすぎて有効なデータを指し示せない場合など、消失した写真、動画、文書などをしばしば救済することができます。
FAT ファイルとディレクトリの検出を行う:
IsoBuster は、削除されたファイルとおよびディレクトリを別個の FAT ファイル システムに表示します。これは、IsoBuster はファイル システムのエントリをスキャンして、同じように削除されたエントリもスキャンするためです。しかし、ディレクトリを指し示す参照がなく、ディレクトリが孤立している場合があります。このオプションが有効にすると、消失したファイルとディレクトリのスキャン時に、検出された孤立ディレクトリを別個の FAT ファイル システムに表示します。さらに、IsoBuster は、新しい FAT ファイル システムがあれば、同時にその FAT ファイルの検索も行います。例えば、読み取り不可能なセクターにあってすぐに検索できない FAT ファイルシステムやディスク内の離れた場所に格納された FAT ファイルシステム (例えば、ハード ドライブ イメージ内の 2 番目以降の FAT パーティションなど) の検索も行います。